先日のホワイトデー。奈良県にいる昆虫食活動家かずきくんからクール便が届きました。
とある昆虫を取りに行ったかずきくん。プラスミライのネタが切れてるからとある虫を送ってもらいました。
やはり昆虫食品に携わる身として、一通りの昆虫の味を知っていなければならないという謎の使命感が。
「え?この虫食べてないんですか??」
なんて言われたくがないために、今回かずきくんから送ってもらいました。
目次
クール便で送られてくるフェモラータオオモモブトハムシ
あれ?木の根っこ??
一瞬何が送られてきたのかわかりませんでした。
実はこのオオモモブトハムシは植物のクズを餌や巣として利用しているみたいです。Wikipediaの引用は避けたいところですが、あまりいい文献が見つからなかったので引用します。
クズを主な食草としており、6-8月頃に成虫が発生する。クズの茎に産卵し、幼虫はクズの蔓にゴール(虫こぶ)を作り、ここで越冬する。ゴール内には20mm程度の蛹室を作り、大きなゴールには数十個の個体が入っていることもある。成虫はゴール自体の白化した部分や、樹皮などを食べ、葉はあまり食べないという。なおゴールが発生してもクズは枯れないという
ウィキペディアより
しかもこの虫、外来種で熱帯に分布しているにも関わらず、寒い日本の冬も越せるそう。海外では食害報告もあり、外来種として警戒されているみたいです。
早速フェモラータオオモモブトハムシを探してみる
完全にどこにいるのかわかりませんが、ハサミで切ってみると…
いた。
意外に簡単に見つかりました。
虫コブを探して、そこを丁寧に開くといます。
こんな感じの蛹室があって、その中に幼虫が隠れていました。
僕は幼虫は大の苦手ですが、その理由は蛇腹のウネウネ感。寒いのでうねうねしていなくて、全然平気です。
ということで、取り出してみました。メガネを外してみたらカシューナッツに見えないこともない??
オオモモブトハムシを茹でていく
毎度のことながら、虫は一旦冷凍します。なぜならいきなりお湯に入れるより罪悪感がなくて。普段肉や魚を食べているのに、自分で殺すときだけ罪悪感を感じてしまいます。
茹でていきます。
今回の目的は味を知ることなので、簡単味付けで食べてみることにしました。
オオモモブトハムシのお味は?!
相変わらず、恐る恐る。できるだけ虫を見ないようにエイッと口に放り込みます。
豆っぽい感じです。
昆虫の幼虫あるあるなんですが、食べるときに幼虫の外皮が口に残ります。でも基本的には昆虫のベースで持っている味がします。すこし甘みがあるような気がしますが、気のせいかもしれません。
実はこのハムシの幼虫、茹でた後しばらく置くと杏仁豆腐の味になるという話をかずきくんから聞きました。
「そんなわけ。」と思いながらもそちらも試してみるべく、とりあえずタッパーに入れて冷蔵庫に保存。
3日後、タッパーを開けると杏仁豆腐の香りが!!
不思議な感じですが、匂いも味も杏仁豆腐。なぜなんでしょうか。
ハムシの防御物質にサリチルアルデヒドという成分があるらしく、それが要因なのかなーと思っています。この成分は香料にも使われている成分みたいです。
最後に
今回はかずきくんが送ってくれたフェモラータオオモモブトハムシを食べてみました。これでまた1つ昆虫の味について語れるようになりましたが、そのままの昆虫を食べるのは視覚的になかなかしんどいですね。
ただ、外来種の駆除をただ殺すのではなく、食べて殺すという行為には意味があると思っています。イナゴももともとはイネにつく虫を駆除する目的もあったようです。こういう昆虫食も1つのあり方だと実感しました。
【かずきくんの作ったコオロギコーヒーはこちら】