こんばんは、コオロギ社長です。
最近clubhouseで昆虫食の発信をすることにはまっています。
たくさんの人が昆虫食に興味を持ってくれて嬉しいです。
さて、最近昆虫食がテレビや新聞に取り上げられる機会も増えました。
とても嬉しいことなのですが、懸念している事があります。
「昆虫は畜肉に比べ高たんぱく質」という記述を見かけることです。
本当に正しいのでしょうか。
目次
そもそもの「高たんぱく」の定義は??
「コオロギパウダーは高たんぱく」であることには間違いありません。
ではそもそも高たんぱくという言葉の定義はなんでしょうか?
日本の法律では、「高たんぱく」を始め、「高〇〇」、「ハイ〇〇」という表示をする際の基準が定められています。
一方「低〇〇」、「○ゼロ」、「〇〇フリー」のような表示も同じく基準があります。
なので、この基準に達していない場合はそもそもこういった表示はできません。
例えばたんぱく質では100gあたり16.2g以上含まれていなければ「高たんぱく」や「ハイプロテイン」と表示してはいけません。
※ ここはあくまでも参考程度です。正しい情報に関しては最寄りの保健所や消費者庁等にお問い合わせください。
つまり、昆虫はこの16.2グラムを満たしているかが昆虫は高たんぱくかの論点になります。
(そもそもこれは食品表示的な話で口語的に使う場合はその限りではありません。)
昆虫はたんぱく質の基準を満たしているのか
昆虫は種類によって栄養価も違います。
同じ種類の昆虫でも、餌や環境によって、栄養成分は異なります。
例としてコオロギパウダーを挙げます。
FUTURENAUTのコオロギパウダー(100g)に含まれるたんぱく質は約68g。
これは基準の16.2gを満たしているので高たんぱくということに問題はありません。
しかしこれはあくまで乾燥させたコオロギの場合です。
生のコオロギの場合、水分の割合が高くなるためたんぱく質はもっと低くなります。
では「コオロギは畜肉に比べても高たんぱく」なのでしょうか??
畜肉に比べて高たんぱくは間違いである???
これは間違いとも正しいとも言えません。
しかし、正しく理解をする事が必要です。
よく「昆虫は、牛肉に比べ〇〇倍のたんぱく質を持つ」というのは誤解を招く表現です。
なぜなら、あの比較は
「生牛肉—生コオロギ」 間の比較ではなく、
「生牛肉—乾燥コオロギパウダー 」間の比較だからです。
そもそもの問題ですが、比較する際条件は揃える必要があります。
なので、生の牛肉と乾燥したコオロギパウダー を比較するのには疑問が生じます。
実際、生のコオロギのたんぱく質は牛肉と同じくらいの割合で(それでも十分すごいですが)、両者間に大きな差がありません。
※牛の場合部位によってたんぱく質の割合は異なります。
しかし、数字を大きく見せるために、意図的に乾燥したコオロギと生の牛肉を比較することは誤解を生じさせることに繋がると思っています。
FUTURENAUTとしては
比較する際、誤認させる表現は避けています。
とはいっても、今後コオロギが普及するとしたら、生のコオロギがパックでスーパーに並ぶ可能性は低く、むしろパウダーやドライで普及していくと思っています。
逆に牛はパウダーや乾燥した商品がメインになることは考えにくいのかなと思っています。
なので、流通レベルの比較で、たんぱく質の含有割合の優位性を語ることは間違いではないのかなと思います。
しかし、そこはこれらの背景をすべて説明しないといけません。
これがなかなか大変です。
最後に
今昆虫食として注目を集めている昆虫食。
メディアではキャッチーな見出しやテロップを使うため、誤認してしまう可能性がある情報も多くみられます。
このあたり、何が正しいのか見極めることは難しいのですが、大学発ベンチャーとして情報の正確性は突き詰めていきたいと思っています。
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