食料危機のリスクを低減したい
こういうことを言うと、
「昆虫食じゃなくて、食品ロスなんとかしなよ。」
とよく言われます。
確かに日本では食べられるのに捨てられてしまう食品が問題になっています。
でもこの2つのアプローチはどちらが有効なのでしょうか。
今回はそんな話をしていこうと思います。
目次
そもそも食品ロスって何?
まず食品ロスについて定義を確認していこう。
賞味期限切れで捨てられてしまう食品や、売れ残りで捨てられてしまう食品がそれに当てはまる。
農水省のデータによると以下のように公表されている。
平成29年度の食品ロス量は約612万トン、このうち食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は約328万トンと推計しましたのでお知らせします。
https://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/kankyoi/200414.html
ただ、612万トンと言われてもイメージが湧かないのではないか。
消費者庁がわかりやすいデータを出しているので紹介する。
世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(平成30年で年間約390万トン)の1.6倍に相当します。
また、食品ロスを国民一人当たりに換算すると”お茶腕約1杯分(約132g)の食べもの“が毎日捨てられていることになるのです。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/
これすごい量。
もし食べる量がぴったりで、捨てる食品がなかったら、その余った分を回せばどれだけの人が飢えに苦しまず済むだろう。
でもこれを解決するのは難しい。
個人レベルでできることとしては、
・食べ残しをしない
・賞味期限をちゃんと把握して食べきる
ということがあげられそう。
でも事業者が食品ロスをしないようにするには難しい。
経済活動においては、需要のぴったりの量を供給するのは非常に大変である。
足りないと機会損失につながってしまうからである。
そもそもの食糧危機とは
2050年には世界人口は90億人を超えると言われている。
人口が増えれば増えるほどたくさんの食料が必要になる。
日本がそうだったように、徐々に食文化は西洋化していき、肉食になる傾向もある。
近い将来深刻な食糧危機が起きると言われている。
「単純に、食料を増産すればいいのでは?」
という意見もあるかもしれないがそう簡単ではない。
今までは、人口増加量を上回るスピードで技術革新(化学肥料や機械化など)が起き、食料生産の効率化が行われてきた。
そうして増えた人口を賄ってきた。
しかし、今効率化も限界がきている。
今後もいかに効率化できるかがポイントになってくる。
なかでもたんぱく質生産の見直しが迫られている。
簡単に説明すると、既存の畜肉によるたんぱく生産は大量の餌や水が必要になるのだ。
増えた人口を賄うのはそう簡単ではない。
昆虫食は食料危機のリスクをどう下げるか。
この上の図を見ると、コオロギは非常に効率性に優れたたんぱく源だ。
餌も水も、温室効果ガスも少なくて済み持続可能といえる。
人口が増えて、たんぱく質需要が増えた時にこの効率性が重要になってくる。
なので、昆虫食普及は食糧危機に対して、どう効率よく生産していくかという上流部分へのアプローチである。
一方で、食品ロスを低減することは生産した食品をどう効率よく無駄なく使うかという下流部分へのアプローチである。
ここまで書いて何が言いたかったか
結局食料危機にはどのアプローチが有効か。
そもそも昆虫食も食品ロスもどっちもやったほうが良い。
という月並な感想である。
そもそもアプローチがする部分が違うのだから、どっちも進めたほうがいいのは当たり前だ。
効率的に生産して、余すことなく使っていく方向を考える。
二元論的な捉え方ではなくどちらにも興味を持ってみませんか?
そんなことを言いたかったので書いてみました。
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