皆さんこんにちは。株式会社カンリエの代表取締役で管理栄養士の櫛田(くしだ)です!
今回はコオロギの栄養価、特にアミノ酸についてお話をしていきたいと思います。
そもそもアミノ酸スコアって?
皆さんは、アミノ酸スコアとは何かご存知でしょうか?
「アミノ酸という言葉から、何かたんぱく質と関係あるのではないか?」
と考えた方、大正解です!アミノ酸スコアとは「たんぱく質」の量と「必須アミノ酸」がバランス良く含まれているかを数字で表した指標となるものです。アミノ酸スコアは最大値が100で、数値が高いほど栄養価が優れている事を表します。アミノ酸スコアが100の食べ物は肉類、魚介類、牛乳、卵などがあります。
ちなみに「必須アミノ酸」は体内で合成することが出来ないため、食事から摂取する必要があります。
では、コオロギのアミノ酸スコアはどのようになっているのでしょうか?
実はコオロギのアミノ酸スコアはあまり高くありません。しかし、この原因は栄養価が低いわけではなく、マイナスな理由ではないのです!
コオロギには必須アミノ酸である、「バリン・ロイシン・イソロイシン」が非常に多く含まれています。ホエイたんぱくの1.5倍以上、ソイたんぱくの2倍以上も含まれています。アミノ酸スコアは、トータルのバランスで評価されてしまうため、突出して多く特定のアミノ酸が含まれている場合、スコアとしての評価は低くなってしまうのです。
BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)って?
では、「バリン・ロイシン・イソロイシン」についてお話したいと思います。
これら3つのアミノ酸は、まとめて「BCAA」と呼ばれています。運動中に血液中のBCAAを増やすことで、筋肉の分解を抑え、トレーニング効果が高まると考えられています。そしてBCAAを継続的に摂取することで疲労感や、筋肉痛を軽減できるという研究結果も出ているぐらいなのです!
BCAAは特にたんぱく質が不足しがちなスポーツ選手や、成長期の世代にぴったりの栄養素です。また、高齢になり硬いものを食べる事が出来なくなると、たんぱく質不足が顕著になります。パウダー状にしたコオロギは、料理に混ぜ込むことが出来るので簡単にたんぱく質量を増やすことができます。これからは、コオロギで老若男女問わずたんぱく質不足解消を目指していきたいですね!